自閉症題材の映画制作へ
8月10日の信濃毎日新聞「くらし応援」欄の掲載記事をご紹介します。
【自閉症題材の映画制作へ】
ー監督の槙坪さん「関心高めたい」ー
中高生の性や老親介護などをテーマに映画を撮り、(長野)県内でも上映会を開いてきた映画監督・槙坪夛鶴子さん(68)=東京=が、発達障害である自閉症を題材にした作品づくりに取り掛かる。「日本では発達障害者への支援体制がまだ整っておらず、情報も少ない。映画を通じて関心や理解を高めたい」と槙坪さん。来春のクランクインを目指し、制作・上映への協力金を募っている。
原作は、作家の門野晴子さんが、自閉症で米国に住む孫二人とのコミュニケーションを獲得しようと奮闘する体験を書いた「星の国から孫ふたり」。2000年に槙坪さんが撮った映画「老親」の原作者という縁で著書を読み、門野さんからも話を聞いて、心を動かされたという。
「小さな進歩に大きな喜びを感じながら、子どもたちを見守る積み重ねがあった。また、発達障害児と家族を取り巻く環境が日米で違うことも感じた」と槙坪さん。映画には舞台を日本に置き換える。
日本では2005年に発達障害者支援法が施行された。自閉症、アスペルガー症候群などの「発達障害」は脳機能の障害に起因するが、「育て方や本人の努力不足が原因」などの誤解が根強くあった。門野さんは「自閉症」という名称について「『自ら閉ざす症状』ではない」と改称を求め、今は米国での呼称「オーティズム」を使っている。
槙坪さんが映画の構想を話す中で、知人から「実はうちの子も・・・」などと言われたことが何度かあったという。そうした経験からも「まだ一般的には圧倒的な人が知らない」と感じる。
リウマチなどの障害から車いすで映画を撮り続ける槙坪さん。現在は血液の病気で輸血が欠かせない。「具合が悪いからとだらだら過ごすのは簡単。でも、私には映画しかない。最後の作品だと思って取り組む」と決意を語った。
2008年8月10日(日曜日)
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