自閉症をテーマにした作品づくりを目指す映画監督
神戸新聞 記事「人」 槙坪夛鶴子さん
慢性関節リウマチで体の自由が利かない。認知症だった母に、昨年亡くなるまでの八年半、車いすを押し続けてもらった。親の介護を題材にした映画「老親ろうしん」(2000年)も、母とともに撮影した。母は自分の役割を自覚し「この子がいるから、ぼけてなんかいられません」が口癖に。同じせりふを映画の登場人物にも語らせた。
「人は、生きる限り成長する。人と触れ合い、支え合える環境があれば、その人らしく生きることができる」。この思いが映画の原点だ。
2009年に製作予定の新作は7作目になる。「老親」の原作者でもある門野晴子さんが、米国に住む自閉症の孫との交流を書いた「星の国から孫ふたり」が原作。自閉症は脳機能の障害で、早期の発見と療育が必要だ。そのプログラムが整備され、自閉症への理解が進む米国で、門野さんは「お孫さん、どんな才能があるか楽しみね」と声をかけられたと聞いた。「日本では、ちょっと変わっていると、平均値を基準にして切り捨てられる。人間はでこぼこで、平均の人間なんていないのに」
映画の制作費は一口5千円の募金でまかなう計画。兵庫県内など各地で今も開かれる「老親」の上映会で協力を呼びかける。先ごろ糖尿病も患いインスリン注射が欠かせないが、情熱は衰えない。「マイナスばかり考えても仕方ない。大切なのは、できることをどう生かすか」
星の国実行委員会スタッフ
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